「……まあ、こういう時は歯の浮くようなセリフを言うべきなんだろうが…………。今更恥ずかしいとかじゃねぇぞ?ただ、当たり前すぎてな。どうにかもう少し捻れねぇもんかと考えているところだ。」
どーん、どーん。 閃光とともに開く炎の花弁。赤、黄、青。煙ったいし火薬臭いが、それも醍醐味だよな、と彼女を連れてきた夏祭りの花火大会。 何度も読んだことのあるキザなセリフを、ただそういう理由で飲み込んだ。
─おまえの方が綺麗だ。