101:貴方の居た季節
レア度:
★4
7年以上前に更新
照りつける太陽の下。行先も決めていないのに、まるでそれに意味を持っているかのように、君は走り出した。
快晴の空は白い雲ぐもと風に吹かれてダンスを踊る。黄色の花の海がつられて踊り出す。
無邪気で純粋な笑顔がいつもと違って余計に綺麗に見えたのに、
水色の風がひゅうと吹き渡ったその時の君は、寂しげな表情をしていた。
その切なさが、空の青や向日葵の黄なんかよりも明瞭に胸に刻まれたのだ。
"貴方の居た季節も去ぎて、真夏がすっかりやって来る。"