天界の仕事は意外に厳しい。言うならばブラックだ。自分の死をなかなか理解しない客の対応から、必要性を疑いたくなる書類の数々をまとめるだけの毎日。ヴィンセント(という名前だけど、どうせ誰にも呼ばれない名前の存在意義とは?)はその過酷な日々についに狂ったのか、仕事の愚痴を上司に平気で愚痴るような天使として有名だ。もちろん皆に好かれているはずがない。だが、彼はさんざん仕事に文句を言っておきながらもしっかりこなす。誰だって神に存在を消されたくないだろう?