眼の前が滲んで仕方ない。怒りの矛先に、振り上げた足は届かない。彼の声はもう二度と聴けない、もうどこにもいない。 その現実が押し寄せてきて仕方がない。それでも、諦めたくないのだ。諦められないのだ。 探し出そうとしてしまうのだ。だって探偵なのだから。流れた涙をぬぐって、諦めずに立ち上がることしか自身にはできないのだ。