気づけば、後ろに居るとばかり思っていた彼は自分より前を歩いていた。 かつての従者だった彼は尋ねた。あなたはどうしたいのか、と。 ……彼の手を取って、歩みだす足はまだ竦んだけれど、それでも大丈夫だと思った。
「となりを一緒に歩いてほしいと、願ってもいい?」