「牡丹と遊んで」 意思を持ち、動き、言葉を話し、人間のように振舞う生きた人形。富豪に高い値段で買われ、飽きられ、蔵にしまったまま長い年月の間忘れ去られていた彼女は屋敷から逃げ出した。彼女が居なくなったことを知る屋敷の人間はいない。逃げ出した彼女を追うものはいない。生まれて初めての自由を謳歌する彼女は帰り道を知らない。