夏を嫌った彼に冬を招く力が寄り付くのは至極当然なのかもしれない。気づけば、自分の腕も、彼女と同じくらいに冷えきっていた。しかし、自らを氷に閉ざすほど彼の中の「人間」は出来ておらず、まだ温かかった。圧倒的な力量差を感じた彼は、自分を磨くことにした。いつかあるそのチャンスに、刃を振り下ろすことが出来るよう。