山積みにされた仕事の書類、秩序のない乱雑な本棚、所々に貼られた可愛らしいシール。広いはずのその事務所は何故だか狭苦しく感じる。中心に佇む机の主は突っ伏して寝ていた。ここ数日は忙しい日々が続いている。いくら過去を読み取れても、それだけなのだ。結局は犯人を見付けられなければ意味はない。結局は足で探して腕で捕まえる。五感全てで事件に取り組む。疲れの貯まったその寝顔には、しかし笑顔も刻まれていた。