「許してください」 「俺を愛してください」 何度も言おうとして、出なかった言葉。 呪いのように、出したくても出せないまま溜まっていった。 あの時の兄さんが悪い、あの日の父上が悪い。 そんな事を思っているうちに、全てが消えて行ったあの日から、俺は自分の感情を殺すようにした。 湧いてでるなら元から殺せ。 自分の感情よりも優先するべきものがある。 自分は人らしい感情を持ってはいけない。