「澄深ー、西瓜食べんかー?」 「あ、食べたい」 「冷蔵庫の中に冷えとるから、出してお食べ」 「分かった。えと……本当に畑、手伝わなくても大丈夫?」 「夏休みなんじゃからゆっくりしぃ」 「ん……でも、無理はしないでね。今日、とっても暑いから……」
祖父は一つ頷き、畑へと向かった。
「暑いなぁ……」
からからと回る昭和製の扇風機がぬるい室温をかき混ぜている。 蝉の声が喧しい。
「…………万里さん、どうしてるかな……」