自分に手を差し伸べたのはとても弱い人だった。 自分に自信が無いくせに、勝手に抱え込んで勝手に押し潰されそうになるような人。 些細なことで立ち止まって、どうしようもないことで泣き出すような姿はお世辞にも格好いいものではなかった。 それでも最後には泣き腫らした目のまま歩き出す彼の背を見るたびに思う。
この人に救われてよかった、と。