「分かっているんだ。あいつはもう俺が居なくても生きていける。けれど手放してしまったら俺はどこに行けばいい。誰も教えてくれなかったくせに自分で知れと言うのなら、俺は今のままでいい」
恨みがましげな声で男は零した。 自分達を見放した世界から目を塞いで、優しい夢を見続ける。