不意に、サツキが走り出した。歩いていた草原を、静止の声も聞かずに走っていく彼女の背を慌てて追いかける。さほど長くない坂まで辿り着けば、すぐにサツキの目的はわかった。 一帯を水音で支配する川。その水は澄み切っていて、中を泳ぐ水タイプのポケモンたちがよく見える。そこへ靴下を脱いだサツキが足をつけた。今日はジャケットを脱いで水着にはならないらしい。 「ちょっと冷たいから、これは入れないよ。君もおいでよ、気持ちいいよ!」