愛多き王様は、心の箍が外れたおひと。たくさんのひとから、たくさんの愛を搾り取らないと、心の隙間から大切なものがこぼれ落ちてしまう。 喪いたくない、もう何も―――。 あれ、私はなにをなくしたんだっけ? 思い出さないように、忘れたふりをしている。ただ、隙間が怖くて、どんどん愛を詰め込んで、心の穴を埋めようとした。