手が、温かい。兄の血が、俺の手を濡らす。ああ、燐の体は、こんなにも温かい。なのに、どうして、ああ、冷たくなっていく。レクナが俺を突き飛ばした。剣で貫かれた燐の体を、レクナが抱き上げて、どこかへ運んでいく。置いていかないで―――。 俺は、また、一人だ。