[あなたの名前は、]翡▲
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SSR
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その白色を見た時、ノボリの頭には電撃にも等しい衝撃が走った。
そして──直感した。彼こそが記憶を失ってなお自分の中に灼きついた、魂の片割れであるということを。
思わずふらふらと手を伸ばす。焦がれていたものが、そこにあった。
激情と蘇る記憶の奔流に呑まれながらも、目の前の身体をしかと抱きしめる。
くだり、と掠れた声。
のぼり、と自らを呼ぶ音も、ずいぶん掠れていた。