【冬の湖】青陽サナ
レア度:
★7
7年以上前に更新
静かに佇む姿、動かない表情。
全てを凍りつかせるような、冷ややかな瞳。
例えるならば、霧の濃い山奥の湖だろうか。
枯れた草木に囲まれ、水面は凍てつき、太陽の光すらも水底には届かない。閉ざされたそこに何があるのかは、知る由もない。
しかし冬はやがて去っていくもの。
凍った湖も、いつかは溶ける。
周りに住まうモノたちの命を育む憩いの場となる。
──彼女がそれの証明だ。
「きっと…私もどこかで、春がいつかは訪れるんじゃないかって、期待してたんだと思う。」