★2
悩める諜報員 リル
彼には少しだけ魔力がある。
生活の役にも立たないちっぽけな魔力だ。
しかしそのちっぽけな魔力は、リルに大きな苦悩を強いていた。
"帰んなくて良いのかい?"
隻腕の同僚に言われた言葉だ。
「俺には帰る故郷はない」
自分に帰る故郷はない。
だって7年前、彼は自分を葬ったのだから。
26/05/25
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